銀行や消費者金融のキャッシングローンは、原則として契約者本人に安定した収入があることが条件となっています。一部例外としては、専業主婦の場、銀行カードローンは配偶者に安定した収入があること、消費者金融では配偶者貸付という条件付きになります。

 

しかし、近年では晩婚化や高齢になってからの教育費など、高額な借り入れが必要になるケースがあります。この場合、定年後でも勤続していれば返済能力を確保出来る収入があるため、キャシング契約は可能です。

 

ですが、年金受給者がキャッシング契約を出来るケースは限定され、一部銀行ローンを除き、多くの銀行や消費者金融は融資に対応していないのが実情です。そもそも、銀行法や貸金業法では年金受給者に対する明確な制限はありません。消費者金融に対しては、『違法年金担保融資対策法』により、『貸金業者は、年金等の公的給付の受給者の借入意欲をそそるような表示又は説明をしてはならない』と定めされているものの、融資してはダメといったものではありません。年金受給自体も安定した収入と見做すことは可能です。

 

しかしながら、キャッシングローンは無担保とはなるものの、実質的には契約者自身の収入が担保となり、返済が滞った場合は裁判所の許可の下、差押が可能になっています。また、債務整理となった場合は資産が債権者に処分・分配されることとなります。

 

ですが、公的給付を原資とする資金は担保および譲渡、差押は禁止されています。年金自体は、『日々の生活の費用として使われる』というものであり、差押が『最低限の生活費が不足する』ということになっています。国民年金法24条,厚生年金保険法41条においては、年金の差押が禁止となっているため、実際には銀行や貸金業者は担保を確保出来ないということになります。

 

つまり、年金受給者に対して、借り入れを助長しない状況であれば、融資は可能なものの、債権回収は禁止という状況となってしまいます。結果として、融資をしない方が銀行や消費者金融が受けるリスクが軽減されるというのが実態です。